情報アーキテクチャの定義

by Peter Morvilles, 2002年4月29日
翻訳:Nobuya Sato, 2003年7月21日

アシロマ情報アーキテクチャ研究所の発表には、予期した通り2つの反応がありました。

  1. これはまた新たにIAを定義しようという試みですか?
  2. IAって何ですか?なぜ私は今まで耳にしたことがなかったんでしょうか?

これらの質問は2つのまったく違った観衆からの来ているのがよくわかります。

  1. IAインサイダー(長年続いた定義のための討論を疲れ、些細な違いのことで議論することに飽き飽きしている人々)
  2. IAアウトサイダー(この惑星上の大多数の人々を占める「情報アーキテクチャー」なんて聞いたこともない人々)

恐ろしいのは、いったい何人のIAアウトサイダーがIT業界の内部にいるかです。オンラインコミュニティのメタフィルターでは、20年以上も大規模なITシステムの開発を経験してきていると豪語する、ある人が訊ねていました:

なぜ今まで私はIAという言葉を)聞いた事が無かったのでしょう?IAはITアーキテクチャのコミュニティや経営コンサルティングのコミュニティにも上手く浸透していないように感じます。IAの知的価値は何ですか?そして、そもそも、どこのコミュニティから来ているのですか?

このように広まっているIAの認識の低さは私たちのせいですか?過去、私たちはそこまでひどい発信者だったのですか?どうなんでしょうか ... ?

大きな世界の小さな声

実際、私たちはIAの本質と価値について説明する数々の仕事を行なってきました。今までに何千ものプレゼンテーションを公的・私的に行い、オンライン出版のためあるいは雑誌記事のために、何百もの記事を寄稿し、いくつかの書籍もこの話題で書きました。

また、何人ものプロフェッショナルなインフォメーションアーキテクト自身が彼らの価値を証明し、第一線で、日々より使いやすく、より使い勝手がよく、より使いたいと思うシステムや製品のデザインに貢献しています。

それでも、私たちはIAという)言葉が理解されるほど広めていないと感じています。なぜならば、世界はそれほど大きいのです。60億の人々30億のURL。これらの成長は私たちの数える能力を超えてます。米国の国会図書館は1,800万冊の本を保有しています。アメリカ労働統計局では770の職業を登録しています。それでもアメリカの人口は全世界のたった4.5%にしか過ぎません。

IAコミュニティのためのメガフォン

AIfIAは、他ならない私たちに、団結し共同で発言する機会を提供するのものです。私たちは私たち自身のメッセージとして何を伝えるか注意しなければなりません。注意してターゲットとなる聴衆も選ばなければいけません。そして、大きな声で明確に発言しなければなりません。

そして、私たちはそれよりはるか先のことを考えなければいけません。もし私たちが注意深く人々の反応に耳を傾ければ、もし私たちがアウトサイダーを議論に巻き込むことができれば、そしてもし私たちが他のコミュニティや専門家を繋ぐことができれば、私たちはそこから情報アーキテクチャの実践を改善する方法を学ぶことができるはずです。

結局のところ、私たちの最も大きな挑戦とは実行することなのです。ここまでは善意で物事を運ぶことが出来ました。今後数ヶ月、より労力を集約するために、AIfIAのための事業計画を展開します。

私たちは遠慮なく声を上げます。私たちは注意深く耳を傾けます。そして、私たちはこの新しい団体のための戦略と計画を形作っていきます。ですから今こそ、話し合いをはじめる時なのです。メンバーパートナー、あるいはボランティアになってください。それとも単に難しい挑戦的な質問をして、私たちに挑戦してくださるだけでも構いません。

あなたの声が情報アーキテクチャの過去、現在、そして未来を定義しようとしている世界中の多くの人々の声のひとつとなることを望んでいます。

付録 I. 情報アーキテクチャ定義

アシロマ情報アーキテクチャ研究所より:

  1. 共有される情報環境の構造デザイン
  2. ユーザビリティとファインダビリティを支援するために、ウェブサイト、イントラネット、オンライン・コミュニティ、ソフトウェアのラベリングと組織化を行うアートとサイエンス
  3. デザインと建築の原理原則をデジタルへ持ち込むことに注目した、実践的な新しいコミュニティ

Information Architecture for the World Wide Web(第二版)より:

  1. 情報システム内での組織化、ラベリング、そしてナビゲーションスキームの組み合わせ
  2. 情報空間でのタスク実行を円滑にし、コンテンツへのアクセスを直観的にする構成のデザイン
  3. 人々の情報の発見と管理の手助けとなるようウェブサイトとイントラネットを組み立て分類するアートとサイエンス

より詳細な定義については、Elegant HackIAwikiの「くだらない定義(Defining the Damn Thing)」をご見てください。

付録 II. AIfIAに関する5つの事実

  1. 一般公開後1週間で、13カ国120団体からなる163人の正会員を集めました。
  2. AIfIAはカリフォルニア州アシロマで創立されましたが、アン・アーバーで法人化されました。
  3. 規定により、AIfIAリーダーシップ評議会にさらに15人のメンバーを加えることができます。
  4. 来年より、会員がリーダーシップ評議会メンバーを選出し、リーダーシップ評議会が役員会を選出します。
  5. 現在、AIfIAは有給スタッフを持たない完全なボランティア団体です。

付録 III. 可能性のあるパートナー

私たちは、数社のパートナーと協力しています。その中でも特にASIS&T(米国情報科学技術協会)IAリーダーシップ・セミナーを一緒に行なえた事を光栄に思っています。

様々な団体が私たちのパートナーとして可能性を秘めています。その中には、ACM-SIGCHIAIGA(アメリカ・グラフィック・アーツ協会)Information TodayNew ArchitectSTC(工学情報交換協会)、そしてUPAなどがあります。

世界にはもっと適切なパートナーとなりうる団体があることもわかっています。そのような団体をご存知の場合はどうか遠慮なく教えてください

付録 IV. 名文句

AIfIAの一般公開に向けた印象的な反応をいくつかご紹介します:

これはまさにIA界の人名禄だ。関連分野の人と全てのインフォメーションアーキテクトは真剣に参加を考えてみて欲しい。この団体はきっと偉大な事を成し遂げるはずだ! - チャリス・ホッジ

私の直感がこれは1年以内に以下のどちらかになると思います。興味をなくされ廃れてしまうか、実際の成果から程遠く翻弄されながら完全に切り離された古典的なマネージメント・コンサルティング業に変容するかのどちらかでしょう。 - ファズ氏、メタフィルターにて

受刑者が収容所を運営しだした。少なくとも、彼らは旅立ち、そして自らの収容所を立てたんだ。海沿いのどこか美しい場所に。 - マット・ジョーンズ

私はグラフィックデザインの視点から、彼らが情報デザインやインターフェースデザインについて、そしてそれらが如何にアーキテクチャに重要であるのか言及するのか興味ある。 - スタン・チン氏、メタフィルターにて

図書館員や記録管理者、およびその他の専門家が行なってきた情報科学と情報アーキテクチャの間にどんな違いがあるのですか? - イシュマール・グラヴァス氏、メタフィルターにて

AIfIAが善意で行なわれていることが不安です。というのも、AIfIAで作業を行なう人々がその業務を行なうのに必要な給料がちゃんと支払われないとなるとモチベーションは徐々に衰えてしまうでしょうから。 - ピーター・メルホルズ

ACIAの解体以来、情報アーキテクチャの研究およびベスト・プラクティスに焦点をあてたものはありませんでした。それ以来、1年程になるかと思いますが、私は、常に必要なのは情報アーキテクチャのための研究所である事を提案し続けてきましたが、私の心配をよそに、ここにAIfIAとして設立され開始される事になりました。この新しい団体を支えているのはこの分野の主要な大家ばかりです。また多少北米の方々にバイアスがかかっていますが、特徴的なリーダシップ評議会もあります。 - マーティン・ホワイト

この分科会はおそらくIAにとって長年の歴史の中でも最も良い出来事です。IAの統一はインフォメーションアーキテクトが尊重され高く評価された職業となるための重要なステップの一つとなるでしょう。 - ガンナー・レンジマーク氏、SIGIA

AIfIAについて他にどんな方々が興味を示しているか、AIfIA参照ログを見るか、数百のグーグル・ヒットを流し見してみてください。

付録 V. 情報アーキテクチャ関連書籍

もし、まだ情報アーキテクチャの定義について混乱しているなら、以下の本を買ってください:

情報アーキテクチャ入門 - ウェブサイトとイントラネットの情報整理術
ルイス ローゼンフェルド (著), ピーター モービル (著), その他

Information Architecture: Blueprints for the Web
by Christina Wodtke

実践情報アーキテクチャ - 情報整理からはじめるサイト構築
エリック・L・ライス (著), その他

Information Architecture: An Emerging 21st Century Profession
by Earl Morrogh

NobuyaSato — 2003年07月22日 20:45